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思想・哲学について

思想や哲学について語っていきます。
コーヒーを飲みながら気軽に読んで頂ければ幸いです。

今なお影響を与え続ける朱子学②

中国から日本に文化や学問が伝わる時、朝鮮半島を経由するというのが、前頁で説明した流れです。
明治時代になって教育勅語が出されたわけですが、当時はまだ飛行機はありません。加えて、秀吉の朝鮮出兵から積み重なった日本朱子学の歴史もありますから、明治になったからと言って朱子学脱却・・・とはならない。
いまだにブラック企業問題を通して朱子学の影響は強いのに、なぜか"学問としての朱子学"は学校で全く習わないんですけどね。
というわけで前ページからの第二段。コーヒーでも飲みながら、ゆっくり読み進めてください。

韓国は本当に儒教国なのか疑問

以前私についてきた2つのリプライですが、どうも彼らを納得させ得る回答は見つからず、翌日はIT勉強会に行ってしまったので、つい回答を忘れてしまいました。
せっかくですから、その回答の意味も含めて、2ページ目を書き進めてみたいと思います。
まず、日本のブラック企業問題は単純に経団連の発言力が強すぎるとか、日本が法治国家でないことも原因としてあります。一方、思想や哲学という観点でみると、やはり朱子学は切って切り離せません。
朱子学というのはいわば、トップダウンの学問です。でも、だからと言って朱子学だけで語ってしまうと、例えば韓国の朴謹恵退陣デモに関しては説明がつきませんね。

中川焞一郎氏と言えば「ウェブはバカと暇人のもの」がとても印象に残った書籍ですが、そんな彼も韓国の国民が、民主的な力で腐敗政治を倒したことを羨ましく思うツイートをしています。
 

 

韓国は儒教国だと教わってきましたし、韓国の儒教は朱子学がメインではないかと思っています。
しかし、その韓国で朴槿恵政権はデモによって倒れたのですね。
でも安倍政権は森友と加計学園の2つの汚職事件を以ってしても倒れないでしょう?
国民が公文書改ざんをはじめとする不正に甘い体質は、必ずしも朱子学のせいだけではありませんね。
まぁその答えを言ってしまうと、国民が政治に関心が無いからなのですが、なぜこうなったかと考えると、別の要因を考えなければいけない気がします。
尤も、それは韓国にも疑問を持たないといけないところで、本当に韓国が儒教国(厳密には朱子学国家)なのか疑問が残ります
韓国では国民の約半数がクリスチャンになっていると言われています。もちろん韓流アレンジされたキリスト教になっているとは思いますが、彼らには「神のもとの平等」という概念が入っているのですね。
日本の場合、宗教は大半の人が「無宗教」と答えると思いますが、実態は違います。日本人の大半は仏教徒にして神道の信者と言っていいでしょう。まぁ仏教に関してはお葬式の時以外は意識しないかもしれませんが、神道は非常に身近です。
お寺に行くと拝観料を取られるところが多いですが、神社は割と境内に入るだけなら無料でできますよね。
初詣、合格祈願を始め、お祈りをする時は神社の方が多いかと思いますので、普段意識していないだけで、日本人の大半は神道の信者です。
八百の神と言われるような日本の神道には、今なお独特のシャーマニズムがありますから、朱子学とシャーマニズムが組み合わさることで、何か良くない相乗効果があるのかもしれませんね。多少無理やりですけども。

朱子学の歴史はメディア戦の歴史

さて、最後に朱子学拡散の概要について少し触れていきます。
朱子学という学問は朱熹という学者によって体系化された学問ですが、もし朱熹が現代に生きていたらどうやって思想を広めたでしょうか。
一つ確実に言えるのは、現代日本は朱熹が生きていたら天国です。
というのも、朱子学はその始まりにおいて、書物によって拡散されたからです。
今で言うなら、Twitterでたくさん呟いてフォロワーを獲得し、掲示板サイトを立て、ニコ動に動画をアップしまくって、サンケイ出版あたりで本を出す。いわば、メディアを制することが朱子学の基本戦術と言っても過言ではありません。
朱子学はよく陽明学と対比されますが、陽明学の祖、王守仁とは思想拡散の手段がかなり違います。
王守仁はどちらかと言えばTwitterでセミナーを告知し、講義や対談を好むやり方です。
この辺りの歴史は小島毅氏の『朱子学と陽明学』をご一読ください。
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さて、ここで変な話ですが、今の日本はメディアはほぼ完全に制圧されていると言っていいですね。
いわゆる、少しでも政治に興味を持たせないように芸能スキャンダルを大きく取り上げ、ネットは既にニコ動やチャンネル桜が動画界を持ち、出版は露骨に言うと青林堂があります。高度プロフェッショナル制度に関しては、報道規制が掛かっている事を、法政大学の上西教授が話していました。
改めて考察したいのが、やたらと凄い芸能とスポーツのスキャンダルなんですね。
ベッキー、貴乃花、清原、SMAP、TOKIO。芸能とスポーツに疎い私でもこれだけ出てくるのですから、まだあるでしょう。
政治に関するところは報道規制も大きいのですが、いわば朱子学的なトップダウンの要素に、神道特有のシャーマニズム要素がミックスした日本社会では、ある意味自然な動きかもしれません。
だいたいからして村社会的な空気ですと、政治の話より芸能やスポーツ、恋愛や結婚の話が出来た方が、世渡りに役立つんですから仕方がありません。
シャーマニズム的な宗教の中で築かれたのが、ある種独特の村社会。更にトップダウン学問であり、かつメディア戦術を基本戦術とする朱子学的な気質が組み合わさってますから、政治の問題も解決されないし、ブラック企業も亡くならない。そんなビターなものを感じます。
思えば朱子学は日本人の思考や行動に重大な影響を与えている学問なのですが、なのに学校教育では全く習いません。
これは我々の不幸の原理を知る機会が無いという点で痛い事であり、キチンと義務教育、せめて高等教育の古典の授業で朱子学の漢文はやって欲しいものです。どうせ日本の国語の授業は名作鑑賞会なんですから・・・。

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2018/06/24    東洋思想    センチュリー・大橋   |    タグ:朱子学


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